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木の個性。


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暑さの中での製作はまだまだ続きそうですが、扉にも楓のラインが付きました。

淵に回した桜に鉋を掛けて少しずつ平(たいら)にするのですが、鉋掛けをしていると 黒い小さな「点」が。

さらに鉋を掛けると、その「黒点」は少しずつ大きくなっていきます・・・。


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最終的にはこんな感じになりました。「ガムポケット」です。桜の木の特徴の一つに「ガムポケットが出やすい」と言うものがあります。

ガムポケット(「がみ」とも言う)とは、木が成長していく過程で細胞の間に樹脂が溜まって黒く変色した場所の事を言います。

「木取り」(大きな板を各部材に切り分ける作業)の際、木の「節」や「木目」などを意識します。 使いたく無い「節」を避ける為、どうやって切るとか 木目の流れがどの部分に適しているのかなどを考えながら木取りをします。「木を読む」のです。

スウェーデンのカペラゴーデンで学んでいたいた時、先生や一緒に学んだ生徒さん達に「木の読み方」をたくさん教えて頂きました。僕はまだまだ未熟なので なかなか読み切れず今日の様な事が多々あります・・・。

カペラゴーデンの先生に「木や自然物を思った通りに扱うのは本当に難しい事。一つの作業に理想を持って そこに向かうのは大切だし、その為の努力はたくさんしなさい。でも、木には個性があるから思い通りにいかない時もある。作り直すのは簡単な事だけれど、そんな時はその個性を生かす事も考えなさい。お客様にきちんと説明出来るようにまずは個性をきちんと知りなさい。」 この様な事を教えて貰ったのを 今日の出来事でふと思い出しました。

この「ガムポケット」。裏側にしてしまえば見えなくなってしまうのだけれど、今日の気持ちをいつでも思い出せるように表側に使ってみよう。